[VPS比較]カゴヤ・ジャパンに引っ越しました

 このサイトは、2014年3月にさくらインターネットのレンタルサーバを利用して、開設しました。その後、DTI(ドリーム・トレイン・インターネット)のVPSサービス、海外の OVH.com が提供するVPSサービスをを経て、このほどカゴヤ・ジャパンに引っ越すこととなりました。

 本運用で利用したサービス以外にも、いろいろと比較検討しましたので、これらについて紹介したいと思います。

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各社のVPSサービスの料金・スペック比較

 仮想化技術には、KVMやOpenVZ、Xenなどがありますが、とりあえずKVMを選んだ方が無難だと思います。

 OpenVZは、カーネルを全てのインスタンスで共有するため、メモリが少なくてもそこそこ使えたり、再起動を一瞬で行えたりなど利点もありますが、その反面、勝手にカーネルをバージョンアップできなかったり、カーネルが特殊だったりして、悩まされることがあります。このサイトでも1年ほど運用してみましたが、限界を感じてKVMに引っ越すことにしました。

 Xenについては、使ったことがないのでよく知りません。すいません。

KVM比較表

 ということで、KVMベースのVPSサービスのうち、検討対象としたサービスの比較表を作成しましたので、ご参考にしていただければ幸いです。

初期費用 月額換算 CPU メモリ ストレージ
カゴヤ
ジャパン
無料 648円 1コア 1GB SSD 20GB
961円 2コア 2GB SSD 30GB
1,080円 SSD 50GB
1,512円 3コア 3GB SSD 30GB
1,620円 SSD 50GB
3,240円 4コア 4GB SSD 50GB
3,780円 SSD 100GB
お名前.com 無料 856円 2コア 1GB HDD 100GB
1,186円 3コア 2GB HDD 200GB
5,842円 3,336円 4コア 4GB HDD 400GB
ConoHa 無料 680円 1コア 512MB SSD 20GB
972円 2コア 1GB SSD 50GB
1,890円 3コア 2GB
3,693円 4コア 3GB
さくら
インターネット
さくらのVPS
1,080円 628円 1コア 512MB SSD 20GB
1,620円 891円 2コア 1GB SSD 30GB
HDD 100GB
2,160円 1,564円 3コア 2GB SSD 50GB
HDD 200GB
4,320円 3,564円 4コア 4GB SSD 100GB
HDD 400GB
OVH.com 無料 4.47ドル 1コア 2GB SSD 10GB
10.07ドル 4GB SSD 20GB
12.99ドル 2コア 8GB SSD 40GB

 通常VPSを利用するためには、それなりに初期設定とか構築といった作業が必要になるわけですが、そんな面倒なことをして短期間で解約することは少ないと思いますので、「月額換算」は年間契約を行った場合の割引後の金額を記載しています。年間契約割引が見当たらないサービスについては、そのままの月額となっています。また、価格はすべて税込みです(海外なのでOVH.comは除く)。

 なお、標記の価格や仕様は、2018年3月にインターネット等で確認したものです。閲覧時点で、仕様変更、価格改定やプロモーションで割引になっていることがありますで、契約前には必ずご自身でご確認をお願いいたします。

サイジングの目安

 お金に糸目をつけず選択することができるのであれば、そもそもVPSなど選択する必要などないわけで、安く済ませるためには、使途に合わせて適切にサイジングを行う必要があります。

CPU

 同時アクセス数が多い場合は、CPUの性能も重視する必要が出てきますが、そうでなければ1コアでも十分だと思います。

メモリ

 問題は、メモリです。常駐させるサービスが要求するメモリを確保できないと動きません。仮想メモリ(スワップ)でカバーするのも一つの方法ですが、やはり物理メモリが不足すると、再起動の際などに仮想メモリをアンロードするのにものすごく時間がかかったり、トラブルの原因になります。したがって、メモリは極めて重要です。

 このサイトをひとつのVPSで運用するためには、ウェブ(Wordpress)+SQL+セキュリティ対策などが必須となりますが、これらを問題なく動かすためには、最低でも2GB程度のメモリが必要です。もちろん、Apacheの設定を適切に行わないと、メモリ不足になります。

 CMSなどを使わない静的なウェブとメールサーバ程度であれば、メモリ1GBでも耐えられるかも知れません。パフォーマンスを犠牲にして仮想メモリで賄うのであれば、512MBでもなんとかなるでしょう。もっとも、このレベルであれば、VPSを選択するメリットが乏しく、レンタルサーバー(root権限なし)で十分かも知れません。
 普通に使うのであれば、最低でも2GB程度の物理メモリは確保した方が良いです。

 VPSサービスによっては、スケールアップに対応しているものもあるので、小さめのメモリを選択して契約し、必要に応じてスケールアップするという方法もあります。
 また、運用するVPSのソフト構成がが決まっているのであれば、試用可能なVPSサービスを利用して試してみるのも良いかも知れません。

ストレージ

 ストレージについては、容量を優先するか、パフォーマンスを優先するかで決めた方が良いと思います。

 周知の通り、HDDよりSSDの方がパフォーマンスが優れていますが、スマホの爆発的普及の所為で、SSDは依然として高価です。このため、SSDのVPSは、HDDより容量が少ないです。

 ウェブなどのアプリケーションサーバとして利用するのであれば、容量が少なくてもSSDを選択した方が良いです。特にCPU負荷はそれほど上がっていないのにパフォーマンスに不満を抱えているのであれば、ボトルネックになっているのはストレージのIO速度の可能性が高いです。

 逆に、オンラインストレージやバックアップデータの保存場所として使うのであれば、容量を重視してHDDを選択した方が良いでしょう。
 
 このサイトを運用するのに10GBもストレージを使いません。アクセス数とログの取り方、保存期間によっても大きく変わりますが、変動幅の大きいのは意外とログです。ログが肥大化しないように、適切にローテートすれば、少量でも大丈夫です。

最小のシステム要件

 使途によって一概には言えませんが、最低限これくらいは確保した方が良いと思います。

CPU 1コア以上
メモリ 2GB程度以上
ストレージ 10GB以上

カゴヤ・ジャパン

KAGOYA CLOUD/2

 カゴヤ・ジャパンといえば、長らくOpenVZのVPSを提供していたのですが、2017年6月からKVMベースのVPSの提供を開始しました。KVMとOpenVZの二つの基盤を提供している有数の会社です。OpenVZの価格を見ると、DTIの方が安い印象を受けるのですが、KVMの価格は上記比較表の通り、安いです。

 上記最小のシステム要件を満たすKVMベースの国内VPSサービスとして、検討した中で最も安かったです。

 カゴヤ・ジャパンのサイトを見ても、ストレージの構成について不明だったのですが、電話にて問い合わせたところ、非公開ではあるがRAID冗長化構成になっているとのことでした。

 RAID冗長化構成だからバックアップがいらないという訳ではありませんが、耐障害性は重要です。データ喪失に備えて、自身でバックアップをとることは重要ですが、Non-RAIDだと、ストレージに障害が発生すれば、即死です。そんな環境に重要なデータは預けられません。RAID構成の詳細については、教えていただけなかったのですが、一安心です。

 契約は、一日単位から利用することができ、もちろん、初期費用不要です。同一スペックで1ヵ月利用すると少し安くなるようですが、年間契約割引はないようです。気軽に利用できる契約形態も好印象です。
 また、スケールアップにも、対応しています。

 サポート体制も充実しており、平日であれば午後10時まで、土日祝も午後5時まで、フリーダイヤルにて電話問い合わせが可能です。

 データセンターの所在地は、Googleマップで”けいはんなラボ”と検索するとすぐ表示されます。
 KAGOYAけいはんなラボ、〒619-0238 京都府相楽郡精華町精華台7丁目4−5
 賛否両論あろうかと思いますが、個人的にはデータの保管場所を秘匿する必要性は肯定しますが、データセンターの所在地についてはそれほど感じておりませんので、特に問題を感じておりません。

 一つ問題があるのですが、メモリ2GBで契約いているのですが、”free”コマンドで確認したところ”1883264″しかありません。0.2GB少ないです。なんで?
 とりあえず、問題なく稼働しているので、このまま利用しようと思います。

 kdump 用に予約メモリがとられていました。/etc/default/grub から crashkernel=auto を削除して再起動したところ”2048128″になりました。

 GRUB_CMDLINE_LINUX= の crashkernel=auto を削除。

 GRUB2 設定を再生成。

 エラーが発生してないか確認して、再起動。

GMOインターネット

お名前.com(VPS)

 先にお断りいたしますが、このサービスを私は利用したことがありません。

 スペックを見てわかる通り、ストレージはHDDタイプのみの提供となっています。アプリケーションサーバとして使用するのであれば、おすすめしません。
 ストレージ1GBあたりの料金としては、安くなっていますので、バックアップデータの保管場所としてはおすすめです。

 KVMベース以外にも、Hyper-Vのプランが用意されています。選択できるOSは、サーバOSのようですが、CALライセンスの要否について確認しておいた方が良いと思います。

 契約は、月単位からとなっており、上位プランの場合は初期費用が必要となっています。
 6ヵ月以上の一括支払いから最長36ヵ月まで選択できるようですが、12ヵ月以上は割引率が同じとなっています。

 電話問い合わせについては、可能ですがフリーダイヤルではありません。

ConoHa

 先にお断りいたしますが、このサービスを私は利用したことがありません。

 お名前.comと同じく、GMOインターネットのサービスです。

 位置づけは、クラウドサービスのようでして、一時間単位の課金という特徴があります。
 時間単位の課金が月額に達するとそれ以上の課金はないようです。

 512MBのプランを除いて、スケールアップにも対応しているようです。
 月額1,000円以下で、SSD 50GBを利用できる珍しいサービスです。

 電話問い合わせについては、可能ですがフリーダイヤルではありません。

さくらインターネット

さくらのVPS

 ストレージをHDDとSSDから選択できるのが特徴的です。また、データセンターも石狩と東京の2ヵ所を選択した上で、その2ヵ所ハイブリッド接続できるため、災害にも強そうです。
 スケールアップも可能となっており、オールラウンダーなイメージです。

 すべてのプランで初期費用が必要となっており、敷居が高く感じるかも知れませんが、その代わり2週間お試し無料となっています。
 私も試用してみたのですが、無料でいろいろな環境を試すことができ、すごく便利です。ただし、無料期間中は、若干の制限がありましたので、その点はご注意ください。
 サイジングを行う際に、どの程度メモリを確保した方が良いのか試すだけでも価値があります。

 年間一括契約を行うと1ヵ月分安くなります。

 少し割高な印象を受けますが、他のサービスに比べて大差はないと思いますので、おすすめのサービスのひとつです。
 さくらインターネットは、さくらのクラウドというサービスも展開していますが、こちらは小回りの効いたサービスとなっていますが、長期利用する場合は割高になりますので、使途に合わせて選択した方が良いです。

 サポート体制については、平日午後6時までであれば、フリーダイヤルにて問合せ可能です。土日祝等は、電話以外での問い合わせになります。

さくらのレンタルサーバ

 さくらのレンタルサーバは、VPSではありませんが、おすすめのサービスです。

 このサイトを開設した際に利用したサービスも、このサービスです。
 そして、今は別のところに引っ越していますが、今でもバックアップ用にこのサービスを利用しています。
 さくらのレンタルサーバでSSLを運用する場合は、注意が必要です。
 WordPressの管理画面に共用SSLでアクセスする

 スタンダードプラン以上では、sshにてシェルログインが可能で、ちょっとしたコマンドを実行したり、詳しくは書けませんが、何かと使えます。
 ただし、プレミアムプラン以上になるとVPSを使った方が良い場合が多いと思いますので、スタンダードプランが一推しです。
 正味100GBのストレージがついて、料金は年額5,142円、1月当たり428円です(スタンダード)。

OVH

VPS SSD

 海外のVPSサービスです。データセンターは、フランス、ロンドンなどのヨーロッパ圏、カナダ、シンガポール、オーストラリアにあるようです。
 このうちシンガポール、オーストラリアについては、最近オープンしたようですが、なぜかレイテンシがカナダより悪かったです。
 OVH アジア・パシフィック リージョンがオープンしたようなので試してみた!

 2017年12月に価格改定され、若干高くなりました。とはいっても、搭載メモリの割には、かなり安い価格設定になっています。

 サポート体制については、電話窓口もあるようですが、もちろん海外ですので日本語ではありませんし、電話代を考え必要があります。
 コントロールパネルからサポートへチケットを切ることができます。

ドリーム・トレイン・インターネット

ServersMan@VPS

 ServersMan@VPSは、DTIの提供するVPSサービスです。
 Linuxに気軽に触れてみたい場合には、おすすめのサービスですが、KVMではなくOpenVZです。
 OpenVZのためカーネルが特殊で、ビルドを行うには不向きだと思います。
 また、CentOS7は使うべきではないと思います。
 VPS@DTI CentOS 7 (64bit) 導入

 電話問い合わせは、不可となっています。

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