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はじめに
Microsoft Office 2021 がリリースされ暫くたち、そろそろ導入を検討していました。
評価版を探していたところ、製品版等のディスクイメージが officecdn.microsoft.com 等で配布されていることを見つけましたので紹介します。
2022年5月21日時点では、ダウンロードにあたって、Microsoftアカウントやプロダクトキー、パスワード等は必要ありませんでした。
なお、ダウンロードした Microsoft Office 2021 を使うためには、適切なライセンス認証が必要です。
リテール版のダウンロード
officecdn.microsoft.com から直接ダウンロードすることができます。
Office Pro Plus 2021 Japanese のダウンロード
Office Project Pro 2021 Japanese のダウンロード
Office Visio Pro 2021 Japanese のダウンロード
Office 2019/2021 ProPlus for Mac (2022.05) のダウンロード
ボリューム ライセンス パック のダウンロード
こちら(https://www.microsoft.com/ja-JP/download/details.aspx?id=57342)からダウンロードできます。
このボリュームライセンスパックは、容量を見てもわかる通り、本体の入っていないオンラインインストーラーです。
インストーラーを起動すると、先にボリュームライセンスの認証確認が行われるようです。したがって、KMSやAD環境下でしか利用することができません。
Office Deployment Tool のダウンロード
こちら(https://www.microsoft.com/en-us/download/details.aspx?id=49117)からダウンロードできます。
このツールを使うと、ボリュームライセンスのオフラインインストーラーを作成したり、リテール版をインストールするときも、インストールを除外するアプリケーションを選択してインストールしたりできます。
Office Deployment Tool の使い方
オフラインインストーラーの作成手順については、公式サイトのこちらの記事も併せて参考にしてください。
ダウンロードした Office Deployment Tool のインストールを実行し、適当な場所に展開してください。オフラインインストーラーを作成する場合は、作成するためにある程度余裕を持った場所に展開した方が良いでしょう。
使用例
オフラインインストーラーを作成するときのコマンド
実行すると setup.exe のあるフォルダに Office というフォルダが作成され、その下にオフラインインストールのためのファイルが作成されます。
setup.exe は、そのままインストーラーとして機能します。
オフラインインストーラーを使用してインストールするときのコマンド
ちなみに、/download を実行せずに /configure を実行すると、オンラインインストーラーとして動作します。
Office Customization Tool
xmlファイルをWebGUIを通して作成できるサイトが、Office.comで提供されています。
https://config.office.com/
適宜設定を行い、右上のエクスポートをクリックすると、設定済みのxmlファイルをダウンロードできます。
設定例
xmlファイルをカスタマイズするときの参考パラメータは以下の通りです。
MS Office Suite 2021 のすべてのプロダクトについて、ボリュームライセンス 64-bit 版をインストールする場合の configuration.xml の内容。
以上の通り、2021ボリュームライセンス版のプロダクトID は、末尾に”2021Volume”と付きます。
リテール版をインストールするときは、”Volume”を”Retail”に変えて、”ProPlus2021Retail”のようにします。Channel=”PerpetualVL2021″ は不要ですので削除します。ちなみに、”2021″を抜くと”2016″になります。
Office2021とは違いますが、Office365の場合は、頭に”O365″と付けて、”O365ProPlusRetail”のようにし、Channel=”PerpetualVL2019″をChannel=”Monthly”にします。
Office 展開ツールでサポートされる製品 ID
32-bit版をインストールするときは、”OfficeClientEdition”の値を”64″から”32″にするだけです。
ディスクイメージをダウンロードし、マウントまたは焼いてインストールする場合。
マウント先等のドライブレターをEドライブとした場合。
SourcePath=”E:\”については、実行する環境に応じて変更が必要ですが、”setup.exe /download”を実行する必要はありません。
インストール時に不要なアプリケーションを除外し、選択インストールを行う場合。ちなみに、この設定例は、MS Office Suite 2019 のボリュームライセンス64-bit版 すべてインストールを基本としつつ、”Groove” “Lync” “OneDrive” を除外しています。
Product ID の要素に、ExcludeApp IDとして指定します。
ID 属性 (ExcludeApp 要素の一部)
必須。インストールしない製品の ID を定義します。
使用できる値:
•ID=”Access”
•ID=”Excel”
•ID=”Groove”
•ID=”Lync”
•ID=”OneDrive”
•ID=”OneNote”
•ID=”Outlook”
•ID=”PowerPoint”
•ID=”Publisher”
•ID=”Teams”
•ID=”Word”
OneDrive for Business の場合は Groove を使用します。Skype for Business の場合は Lync を使用します。
製品の認証作業(アクチベーション)
KMS認証
認証サーバにアクセスできる権利と環境があれば、以下の通り実行することにより、ダウンロードからインストール、認証(64-bit版)まで行うことができます。構成ファイルは、適切に作成したものを使用し、KMS認証に対応したプロダクトIDである必要があります。
32-bit版もほとんど同じです。%ProgramFiles% のパスが %ProgramFiles(x86)% になります。
なお、ここに書かれているプロダクトキーは、別記事(Microsoft 製品でよく使う プロダクトキー )でも紹介しています Generic Volume License Key (GVLK) です。
リテール版などKMS認証以外の場合
保有しているプロダクトキーがあるかと思いますので、キーのインストールと認証だけ行えば良いです。インストール後の認証作業は、リテール版も同じです。
64-bit
32-bit
認証結果の確認(全認証方式共通)
以下の2行を実行すると、確認できます。
2行の理由は、片方が64-bit版、もう一方が32-bit版用だからです。
インストールの状況が判明しているのであれば、それぞれの環境に応じて”cscript”以下を実行すれば、問題ありません。
インストールスクリプト
インストール処理が煩雑なので、インストール用のスクリプトを作成しました。
メモ帳(テキストエディタ)などにコピー&ペーストして、.bat か .cmd の拡張子で保存し、管理者権限で実行するとオンラインインストールできます。予め setup.exe(Office Deployment Tool)のダウンロードを行っていない場合は、管理者権限のあるユーザーでログインして実行する必要があります(setup.exe のダウンロードに失敗することがあります)。
KMSサーバーにアクセス可能な場合は、サーバー名を設定して実行すると、認証まで行えます。
コメント
本記事は2年前に書かれたようですが、今でもODTを使った選択インストールは可能なのでしょうか?
私は2年前には問題なくインストールできたのですが、新しいPCにインストールしようとしたところ、今回は何度やっても全アプリがインストールされてしまいます。
無駄にストレージを浪費させられ、セキュリティリスクや不具合発生リスクも増えるし、何よりも「不要アプリがPC内に存在している」というモヤモヤで大きなストレスになっています。
どなたか最近成功された方はおられませんか?
コメントありがとうございます。
せめてOSバージョンくらいは明記して下さい。
舌足らずで申し訳ありませんでした。
OSはWindows11で、Office professional plusをインストールしようとしました。
コメントありがとうございます。
試してみたところ、問題なく選択インストールは可能でした。
コンフィグファイルの指定、あるいは記述に誤りはありませんか?
なお、インストール方法は、当記事で紹介している「インストールスクリプト」を利用しました。
最新のバージョンに合わせて、実行ファイルの名前は変更しております。
set ODT_EXE=officedeploymenttool_17830-20162.exe
また「インストールスクリプト」は、デフォルトで「OneDrive for Business」「OneDrive」「Skype for Business」「Teams」以外がインストールされるように設定されています。
設定ファイルのテンプレート編集の行頭のrem、echoを適宜選択し編集する必要があります。
ご健闘をお祈りいたします。
インストールにはスクリプトは利用せず、直接setupコマンドで実行しました。
CD版を購入したので、最初configureファイルを別フォルダに置いてsetupコマンドはそのフォルダを指定して実行。
次に、CDの内容を全て別フォルダにコピーし、そこにcofigureファイルを置いて(必要ファイルとフォルダを同一フォルダに置いて)そのフォルダからsetupコマンド実行。
その他いろいろと試してダメだった上、Microsoftが公式に「選択インストールはできない」と言っており、そのコミュニティで質問しても「できません。」の一言でしたので半分諦めていました。
しかし、abtenさんの返信で間違いなく「今でも選択インストールは可能」ということが確認できたので、もう一度本ページをよく読んで再挑戦してみます。
親切に確認した上で返信コメント頂き、本当にありがとうございます。
「オフラインインストーラーを作成するときのコマンド」の手順で実行しても「インストールスクリプト」を利用して実行しても下記エラーメッセージが表示され、インストールできません。
We can’t install
This product can’t be installed onn the update channel.Please contact your system administrator and try again.
お手間を取らせて申し訳ありませんが、何か必要な情報があればまた書き込みしますので、詳しくご教示願えませんか。
リテール版永続ライセンスであることを前提にお答えします。
記事本文設定例にも記載しておりますが、Channel=”○○” がおそらくコンフィグファイルに記述されていると思いますので、これを消してください。
それでもできない場合は、コンフィグファイルの内容を可能な限りコメントに記載してください。
コンフィグの中身は下記のとおりで、”setup.exe /download configuration.xml”は正常にダウンロード完了し、”setup.exe /configure configuration.xml”でエラーが発生しました。
ごめんなさい。書かれている内容が良く分からないのですが。
実行コマンドとコンフィグファイルを混同されていませんか?
エラーが発生とは先に書かれたエラーのことでしょうか?
エラーの内容はアップデートチャンネルではインストールできませんと書かれているのですから、コンフィグファイルからとりあえずチャンネル設定の削除を提案しているのですが。
コンフィグ部分が抜けていました。
失礼いたしました。
半角<>が含まれていると削除されてしまうので、全角<>に置き換えるか、<>を削除して書き込んでください。
コンフィグ部分が抜けていました。
が付くとこのコメント欄では無視されるようなので、は省いて表示してみます。
Configuration
Add OfficeClientEdition=”64″
Product ID=”ProPlus2021Retail”
Language ID=”ja-jp” /
ExcludeApp ID=”Groove” /
ExcludeApp ID=”Lync” /
ExcludeApp ID=”OneDrive” /
ExcludeApp ID=”OneNote” /
ExcludeApp ID=”Outlook” /
ExcludeApp ID=”PowerPoint” /
ExcludeApp ID=”Publisher” /
ExcludeApp ID=”Teams” /
/Product
/Add
/Configuration
ご提示いただきまして、ありがとうございます。
コンフィグファイルを拝読したところ、全く問題はなさそうです。
私の環境では、これで問題なくワードとエクセルとアクセスのみがインストールされました。
Office Deployment Tool ですが、最新のものをダウンロードして使用していますか?私が使用したバージョンは16.0.17830.20162です。
Windows は、バージョン11のProエディションです。OSビルドは22000.2538です。
最新の Office Deployment Tool をダウンロードし展開、setup.exeと同じフォルダにコンフィグファイルを配置し”setup.exe /configure configuration.xml” を実行すると、問題なくインストールできました。
昨日は本ページに記載のリンク
“Office Pro Plus 2021 Japanese のダウンロード”と
“こちら(https://www.microsoft.com/en-us/download/details.aspx?id=49117)からダウンロードできます。”
からダウンロードした後setupを実行しましたが、そのフォルダの中身を確認するとabtenさんが実行された物より古いバージョンだったようです。
本日改めてmicrosoftのサイトから最新(office365用)のOffice Deployment Tool をダウンロードし、同じコンフィグファイルで”.\setup.exe /configure configuration.xml”を実行するとダウンロード、インストール共スムーズに進み問題なくExcel、Word、Accessのみのインストールが完了しました。
使用したODTのバージョンはabtenさんと同じ16.0.17830.20162になっています。
紆余曲折はありましたがabtenさんのお陰で最終的には余分なソフトをインストールせずに済み、すっきりしました。
abtenさんいろいろと本当にありがとうございました。
良く分かりませんが、問題が解決して何よりです。
windowsの設定からアカウントを確認してみると、購入した製品という項目で2年前に選択インストールできた時の製品が出てきました。
このことが何か関係している可能性はありますかね?
おそらく関係ないと思います。
こんにちは。この記事がとても参考になりました。ありがとうございました。
officedeploymenttool_17830-20162を使った当方のWin10環境では
先頭行のConfiguration ID=”xxxxxxxx-xxxx-xxxx-xxxx-xxxxxxxxxxxx”
が記述されていないとエラーとなりました
コメントありがとうございます。
もう少し詳しく書いていただかないと、良く分かりません。
何をどのように実行したら、どの段階でどのようなエラーが生じたのですか?
併せて、コンフィグファイルを作成しているのであれば、その内容を提示していただかないと分かりません。